そこは蔵書が多いのでSF小説の文庫なんかは、その全てが見られるわけではなく、閲覧したい本を探して申告する仕組みになっている。検索システムから目指す本を探して「出力」すると、レシートのような紙がプリントアウトされて、それをカウンターに持って行くのだ。
今回僕が選んだのは「宇宙のスカイラーク」と「刺青の男」である。
両方ともとこかにいってしまって、もう家にはないのだ。
図書館の受付の人が持ってきた本をみて、僕は自分の目を疑った。
宇宙のスカイラークは金背、刺青の男は銀背だったのである。
僕の世代にとっては、金背も銀背も実物をおがんだことがなく、「ははーっ!」という感じ。
こんな貴重な書籍を借りていいんだろうか、という気持ちであった。
とはいえ久しぶりに読みたかったので、ありがたくお借りしたのだが。
家に帰ってからいろいろとみたところ、実に驚くべきことがたくさんあった。
- 宇宙のスカイラークは昭和41年発行、280円。
- 刺青の男は昭和35年発行 220円
- 両方とも保存状態がきわめてよく、図書館でありがちな全面ビニール貼りがされてなかった。
- 宇宙のスカイラークは野田宏一郎!さんが解説。
- 刺青の男は福島正実さんが解説。
宇宙のスカイラークは野田昌宏じゃなくって、野田宏一郎が解説してるんだぜ!(野田調で)
今のところは、まだ「宇宙のスカイラーク」しか再読してないのだが、久々に読むスカイラークはちょっと違った印象があった。
冒頭はSFというより、古式ゆかしい探偵小説みたいであるし、意外とロマンス要素が多かったり。
ヒロインのドロシーは往年のパルプSFでいうところの「鋼鉄のブラ」をつけて恐怖におののいているタイプではなく、もっと活動的だし恋愛に積極的だ。
それにしても.....
やはり宇宙のスカイラークは面白かった。
ハイブロウなSF小説が好きな人には、こういったジャンルはもう化石みたいなものかもしれないが、面白いものは面白いのだ。個人的にはいきなり全開でいっちゃうレンズマンの方が引き込まれるが、スカイラークの持つフェアプレー精神みたいな世界観も好きである。
どうだい?君もスペオペしといて良かっただろ?
という野田さんの声が聞こえてくるのである。
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