2012年9月6日木曜日

間違いなく僕はデルタハウス

人を外見や属性で判断してはいけないし、先入観でとらえるのもいけない。
ただ、たまにふと思うことはある。

「こいつ、デルタかオメガか?」

ちなみに、僕は間違いなくデルタハウスの住人である。
確かに今は落ち着いてはいるものの、若い頃は絶対に「デルタ」だった自信がある。


仕事でいろんな人をみてきた。
仲良くなれそうな人は、大抵はデルタハウスのにおいがするのだ。
この人オメガだ、と思ったらもう仲良くできない。

アニマルハウスは大好きな映画というよりは、とても大切な映画といった方が良いかもしれない。
ジョン・ベルーシの映画で一番好きだ。
まだ健康そうで、生き生きとしているベルーシがそこにいる。
泣きたくなるような青春、弾けるような青春、馬鹿みたいに笑っちゃう青春がそこにある。

僕がこの時代のアメリカにいて、この学校にいたら間違いなくこの写真の中にいたに違いない。
そう思わせるものがある。

あの夏のエイリアン~そしてプロメテウス #1

1978年の夏。

もしかしたら僕の家族が全員そろって暮らしていた、最後の夏かもしれない。
夏休み、僕と兄貴は映画を観に行こうとしていた。

兄貴はその夏最大の話題になっていったエイリアンを。
僕はラルフ・バクシの指輪物語を。
SF映画好きだったので、エイリアンも観に行きたかったのだが、お互い違う映画を観てから情報交換しようと考えたのかもしれない。

指輪物語はとても面白かった。
原作は読んでいなかったのだが、なにやら壮大なお話であり、ロトスコーピングという革新的な技術が使われているとか、僕の中では期待感があったのだが、それを裏切らない面白さだった。

そして同時上映はチキ・チキ・バン・バン。
こちらも面白かったのだが、ここではちょっとおいておく。

僕が家に帰ってきてから少したって、興奮した兄貴が帰って来た。

   「エイリアン......あれはすごい映画だぞ」

僕もいずれは観に行くことを思いやって、兄貴はネタバレになりそうな事は言わなかった。
しかし「宇宙ではあなたの悲鳴は誰にも聞こえないって宣伝文句は本当だ。あの映画は本当に凄い。歴史に残る映画だ」と絶賛していたのを憶えている。

そして数日後に僕もエイリアンを観に行き、確かに宇宙ではあなたの悲鳴は誰にも聞こえないってのは本当だと、これはSF映画の歴史に残る作品だと、そう思って帰って来た。

あの夏の日はとても暑かったのを憶えている。
でも映画館の中はとてもひんやりとしていた。
単に冷房がよく効いていたという事だけではなく、全ての場面が宇宙船や異星で展開するエイリアンの世界に引き込まれていたのだと思う。

エイリアンを観終わって映画館の外にでる。
すっかり冷え切った頭と体に、むせるような熱気がまとわりつく。

さっきまであんなに凄い事が宇宙でおきていたのに。
さっきまで僕らはリプリーと一緒に戦っていたのに。
でも、映画館の外はいつもの日常だ。
このギャップがとても印象に残っている。
あれ以来、僕にとってはSF映画は夏の季語である。

あれから30年以上が過ぎて、僕はやはり夏にプロメテウスを観ることになった。
あの夏のエイリアンの記憶を心にいだきながら。

プロメテウスはエイリアンのような衝撃はなかったが、僕にとっては感慨深い作品となった。